AI(人工知能)技術の未来〜現場エンジニア目線からの今後の展望〜

AI技術紹介

ー エンジニア目線では急速に発展するAI技術→ビジネスマンには体感速度が異なる ー

私のようなAI(人工知能≒機械学習)に取り組むエンジニアからすると
AIに関する論文は読み切れないスピードで世界中から膨大な量が発表されているという体感である。
論文の質に関しても少し前にできなかったことが
数カ月後にもうできるようになっている、といった具合に
とても高いものも数多くある。

エンジニアからするとAIに関する論文を発表するスピードや質に驚くことも多々ある。
しかし、ビジネスマンの「いかにこの技術が現場で使えるか?」という目線では
エンジニアほどの体感速度はない場合もあると考える。

例えば「この画像に何が写っているか?」や「音を言葉に変換する」などの
画像・音声などの認識精度が
1年程度で90%から95%に上がることは
エンジニアにとっては驚異的な上達であるし
特に90%という精度の高い状態から残りのエラーを減らすというところには
特別な努力が必要であることが想像される。

一方、ビジネスマンからすると5%の精度向上は
人によって捉え方が異なると考える。
5%精度が上がっても本質的にできることは変わらないと思う人もいるであろう。
確かに、適用する先がミスが許されない現場である場合は
90%であろうと95%であろうとそこにはそのまま持ち込むことはできない。
しかし、捉え方によっては従来よりもし5%精度が高ければ
例えば音声の文字書き起こしを想定した場合
1万回の試行でエラーを1000回→500回に間違いが減ると
わざわざ人間が間違いを修正するコストも半減する。
またライバル企業より5%精度が高ければ
営業するときにアピールできる強みとなるであろう。

つまり、できる限り技術の変化にアンテナを貼っておいて
ビジネスの現場でできるようになったことは何か?を整理
することが重要であると考える。

ー これまでのAI技術の発展例(物体認識) ー

「この画像に何が写っているか?」という代表的な国際画像認識コンテストILSVRCでは
以下のようにエラー率が変化している。
2010年:28%
2012年:16%
2014年:7%
2015年:3.6%
2016年:3%
2015年時点のエラー率3.6%で人間の画像認識率を超えたとされている。
これは技術が専門でない方にとってもわかりやすい技術発達の例である。

ー 数学で「なぜうまくいくのか?」に取り組む研究者は少ないため、原理理解の速度は比較的ゆっくり ー

これは私の論文などを読んでいての体感を含むので
主観・マニアックな要素を含むので参考程度にお考えいただきたい。

現在、AIと呼ばれるものは技術的に機械学習である場合が多く
その機械学習は数学の理論が基本となっており

例えば、脳の働きなどをコンピュータープログラムに置き換えているものもある。
AI≒機械学習を使うこと自体は初歩的な微分などを理解していれば可能な場合もあるが
中身の細部を理解することは、高度な数学が要求される。

自分がAIの中身を数学で理解することにおいて
世界で最も貢献していると考える科学者がAI界の巨匠Bengio先生である。
この方の研究グループでは革新的な技術手法をいくつも発表すると同時に
なぜうまくいくのか?を数学的に理論を紹介したり実験結果を発表している。

なぜ数学で原理理解に取り組む人が少ないかについては
以下の3つの原因があると考えている。
1.高度な数学は難しく学習にも時間がかかる
2.高度な数学が良い結果をすぐ出せるとは限らない
3.数学で理論を突き詰めなくても、たくさん実験して良い結果が出れば評価がもらえる

一番大きな原因としては大学院でも企業でも
研究者は常に結果が求められていることは当然で
数学から取り組んでじっくり「5年は結果を待ってほしい」といえる立場の人は
少ない
と考える。
半年や長くても1年で成果を求められる研究者には
数学を十分に考える時間を確保するのは簡単ではないと感じている。

以上のことから数学的に原理理解する速度で
「なぜうまくいくのか?」が明らかになるのには歳月が必要であると考えている。

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参考文献:

[1]Googleの音声認識、ワードエラー率が1年経たずに「8.5%」から「4.9%」まで改善! もはや人間レベル?

[2]畳み込みニューラルネットワークの研究動向

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